江戸時代『出雲国産物名疏』に見る蕎麦
『出雲国産物名疏』(さんぶつめいそ)松江藩によって1736年〜1737年に編纂された隠岐を含む出雲地方の産物帳によると、蕎麦の種類は9種。今この中で栽培されているのは、「しなそば」と「おくてそば」の2種と考えられています。
①「いらかた」:大そばのこと。
②「しなそば」:小そばのこと。出雲地方で一番美味い蕎麦とされ、今でも奥出雲地方で栽培されている。焼き畑と共に来た最も古いタイプの蕎麦かもしれない。
③「しなの」:信州から持ち込まれた蕎麦。
④「米そば」:稜のない米の形をした蕎麦。
⑤「かどそば」:稜の四つある四角な蕎麦か?
⑥「はなたか」:不明
⑦「餅そば」: 不明
⑧「わせそば」:当時の農事暦から6月頃種蒔か。
⑨「おくてそば」: 現在栽培されている蕎麦はほとんどがおくて蕎麦。
(堀江修二:しまねブランド育成アドバイザー/農学博士)