そばりえ

うんちく

「出雲そば」とは

「出雲そば」は、出雲地方の風土に培われた伝統ある食文化の代表格といえます。他の地方のそばと異なる特徴としては、製粉の方法と食べかたにあるといえます。

といっても「挽きぐるみ」といって玄ソバの殻ごと石臼や製粉機による製粉は各地で行われています。あえていえば殻に近い部分が他の地方より多く含まれていることでしょう。そのため色が濃く、少しぼそぼそとした食感になります。しかし、香り・味は他地域の蕎麦に比べ強く感じとることができます。また、春の山菜にほのかな苦味を感じるように、出雲そばには独特なえぐみ(苦味)があります。いわゆる歯ぬかりがするようなそばはその感が強く、あまり強すぎると大概は嫌われます。挽き込む度合いは出雲地方の中でも異なり、お店によってもそれぞれ異なります。現在は製粉技術が進歩し、食べやすく食感の良いそばが好まれているためか、極端にぼそぼそしているそばを打つ店は少なくなりました。

また、出雲地方独特の食べ方として丸い漆器に盛られた「割子そば」があり、だしを直接そばにかけ絡めて食べます。出雲そばにはこの食べ方は最適でそばとだしが絶妙に調和して、ぼそぼそ感が消えて食べ易くなります。観光客のなかには食べ方がわからない人が結構いらっしゃいます。薬味いれにだしを注ぎそばをつけて食べたり、湯呑み茶碗のそば湯の中にそばをつけて食べ頭を傾げている人を見かけたことがあります。

もうひとつ忘れてはいけないのが、茹でたそばを直接どんぶりに釜湯と一緒に入れる「釜揚げそば」です。釜揚げそばも直接だしをかけて食べます。そばはぬめりをとってないため食感はあまり良くないのですが、そばの味、香りが直接伝わってくるためそば好きには堪えられません。

健康食ブームと相まって日本中でそばブームとなりました。市内にも近年、新しいそば屋さんが数軒開店しています。脱サラして開業されたそば店や、地域おこしで蕎麦を栽培し自家製粉しているそば打ち同好会、素人でも気軽に蕎麦打ちが可能なそば打ち道場の開設も盛んです。何故、蕎麦にはまると際限なく探求するようになるのか。このそばの魅力については今後述べたいと思います。

「出雲そば」という名前は全国的に有名ですが、実際に食べた人は意外と少ないといわれています。出雲そばをもっと全国発信して、たくさんの人に出雲観光の一つの目玉となる「美味い出雲そば」を食べてもらう工夫・努力が必要だと考えます。(小村晃一)